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  • 2017年12月5日
    一流になる方法

    私はもともとシェフになりたく、このフランス料理のレストラン業界に足を踏み入れました。

     

     

    ①シェフの白衣と高いコック帽が恰好いい

    ②料理を作る工程が楽しい

    ③「美味しい」と言ってくれる食べ手の顔が見たい

    鶏もも肉のコンフィ

     

    私は多くの一流料理人を知っています。

     

     

     

    一流の基準は?

     

     

    簡単です「料理=5味(酸、甘、苦、塩、辛)+人間味」をお皿に表現しお客様を魅了している人です。

     

    私のいちばん好きな食べ物は、やはり母の手料理。

    ご飯がススム茄子味噌

    おふくろの味=こどもの成長の為に愛情たっぷりの味

    宮崎家では料理に砂糖はほとんど使いませんでした。

     

     

    愛情を注ぎ、食べる人の気持ちに思いをはかり、【人間味】という最後の味を料理に盛り込む。

     

    それが一流の料理人だと私は思います。

     

     

    さて、ではサービスマンに置き換えてみましょう・・・。

     

     

     

    ①タキシードやスーツ、タブリエ(前掛け)&ベストが恰好いい。

    ②お客様が楽しく食事される空間を作るのが楽しい

    ③「今日は楽しかった」と言ってくれるお客様の言葉が欲しい。

     

    テーブルにおかれた銀のナイフとグラス

    ③に関してはちょっと補足を・・・。

     

    厳密には「満足した表情を見られたら嬉しい」

    言葉が欲しいからではなく、純粋な気持ちで、素な気持ちの結果です。

     

     

     

    私は一流のサービスマンを多数知っています。

     

    一流の基準は?

     

    「サービス=5感+人間感」をお客様に提供し、魅了する人です。

    レストランの主役はお客様。出すぎるサービスも時にはいいのですが、基本は黒子です。

    しかし、我々は俳優業でもあるので、時にはスポットライトに当たることもあります。

     

    人間感(本人にしか出せない魅力)をもち、お客様の為に「純粋に向き合う姿勢」が一流のではないでしょうか。

    経験やセンスも必要ですが、経験が浅くても、一生懸命であればだれでも一流になれるのです。

     

     

    逆に・・・二流とは?

     

    ①「料理をモノと思っている人」

    ②「裏で人の事を悪く言う人」

    ③「この仕事に誇りを持っていない人」

    ④「客という発言する人」

     

    ④に関して、お客様はいかなる場合でも

     

    「お客様」「お客さん」なのです。

     

     

    「客」という上から発言は今すぐやめましょう!たとえバックヤードや営業時間以外でも!

     

    そういうスタッフが一人でもいたら、そのお店は「二流」だと思います。

    色々なお店で働いてきて④があるお店は衰退しました。

     

    お客様と料理人に敬意を払い、

     

    我々サービスマンは汗をかき、人間味のある温かいサービスをして

     

    皆が温かい気持ちにさせるのが「一流のサービスマン」です。

     

     

    一流の料理人が、一流のサービスマンと協力し、お客様に最高の瞬間を演出する。

     

    そして、「うちの店は一流」とは決して発言せず、

    心の中で叫びましょう。

     

    一流という評価は、お客様がしてくださいます。

     

    経験がなくとも、若い方だろうが、どこで働いていようが

    お客様を思う気持ちがあるのなら

     

    私はあなたが一流のサービスマンだと尊敬します。

     

     

     

    Fantagista21

     

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    • 2017年10月14日
      1人の若者の熱意

      「日本におけるフランス料理・レストラン文化の発展と継承」

      「プロのサービスマンをもっと増やさねば」

       

      自分の可能性にチャレンジする。

       

      その挑戦を応援したい。

       

      そう思い、各地で講演やセミナーを開催する旅がはじまりました。

       

       

      【2013年10月27日】

       

      福岡

       

       

      講演会を終えたその会場で一人残った青年がいました。

       

       

      彼は私の所に近寄り

       

      「僕、ミヤザキさんに手紙を送った者です。ミヤザキさんと働きたいです。」

       

      『ああ、あの手紙の君か。いいよ、いつから東京に来られるかな?』

       

       

      「来年早々には行けると思います、1月中旬くらいでしたら・・・」

       

      『年明け?それじゃあ遅いよ。チャンスは1度きりだからね。

      うちには働きたいという応募はたくさんあるし、そのタイミングでポジションが無ければ難しいよ。』

       

       

      「・・・・そうですか」

       

       

       

      今勤務しているレストランに迷惑がかけられなくて、年明けと言ったのは分かっていました。

      年末の時期にスタッフが抜けられるのはどこの組織も痛手ですから。

       

      これで引き下がるのなら所詮その程度の覚悟だ、

      まあミーハーな若者かな?

       

      とその時は思いました。

       

       

      しかし、その数日後

       

      あの彼から電話がありました。

       

      「ミヤザキさん、すぐに行きますから一緒に働かせてください」

       

       

      カバン一つで、彼は私の所にやってきました。

       

       

      あれから4年

       

      私は前職場を去り、彼も去りました。

       

      【どこで働くかではなく、誰と働くか】

       

       

      私は今、3つの現場で働いております。

       

      朝9時に現場に入り、若手スタッフとともに掃除から仕事を始めます。

      仕事の意味を背中で見せる為です。

       

       

      2017年8月9日

      いつも通り掃除を始めていたら・・・

       

       

      「あれ?ミヤザキさん?」

      その現場に彼の姿がありました。

       

      そう、私が彼にそのお店を紹介したのです。

      でも、そこに私がいるという事は彼には伝えてはいませんでした。

       

       

       

      【人を育てる事には責任がある】

       

      まだ26歳

       

      自分自身の努力次第で、きっと立派なメートルドテルになってくれる

       

       

      一生懸命は人の心を動かします。

       

       

       

      未来のFantagistaを育てるのが

       

       

      私の使命です。

       

       

      fantagista21

       

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      • 2017年9月30日
        ソムリエにならなかった理由

        皆さんの思い描くソムリエのイメージはどの様なものでしょうか?

         

        1995年に田崎真也氏が世界コンクールで優勝し、日本にワインブームが巻きおこりました。

         

         

        「ワインがわかるなんて恰好いい」

        「ソムリエって普通の人にはなれないすごい職業」

        「ワインを扱うソムリエは、高級なレストランで働いている」

         

        これが20年前に抱かれたイメージでした。

         

        私がフランス料理の世界に飛び込んだのはその1年後の1996年、

        当時はフランス料理のシェフになるとそう思っていました。

         

        辻調理師専門学校のフランス校に入学し、帰国後に就職したレストランでサービスの仕事に魅力を感じ「サービスマン」として一生の仕事にすると心に誓いました。

         

        しかしそこに立ちはだかるのが「父親」でした。

         

        シェフになるために学費を出して貰った父親に

        「僕はサービスマンになる」と言ったところ

         

        「お運びさんをさせる為にお前を調理師学校に行かせたのではない、ダメだ」

         

        必ずこの職業で日本一になるから許して下さい

        と父に頭を下げ・・・一言「好きにしろ」

         

         

         

        20歳から始まったサービスマン人生、とにかく毎日が勝負でした。

         

        一日でも早く一人前になるために、朝は8時過ぎに仕事にはいり、先輩の信頼を勝ち取るために必死に努力しました。

         

        毎日15時間労働、休みは火曜日のみ週一回。

         

         

        初任給は手取り13万円

        現在のスタッフは休みもあり、給与もかなり上がっていますのでご安心を。

         

         

         

        好きな仕事をしてお金を頂くのだから不満は全くなかったです。

         

         

         

        20代前半となると、学生時代の友人と飲む機会もあります。

         

        「お前今なにやってんの?」「どのくらい貰ってるの?」など仕事(職業)の話題になりますね。

         

         

        友人『宮は今なにしてるの?』

        私「僕はフランス料理のお店でサービスをしているんだ。」

        友人『サービスって何の仕事?』

        私『レストランで料理を運んで、料理を出すのが仕事なんだ』

        友人『あ、お運びさんね、俺高校の時にファミレスでバイトしていたアレね』

        私「・・・・」

         

        何故か悔しかった感覚が今でも忘れられません 😥

         

        その3年後、

        先輩に勧められるがままソムリエの資格をとり再び友人との飲み会での話

         

         

        友人『宮、今何してるの?」

        私『都内のフランス料理のレストランでソムリエしてるよ』

        友人一同「スゲーっ!ソムリエってあのワインを何年の何って飲んだだけで分かるアレでしょ?」

        私「・・・うん、まあ・・・」

         

         

        気分は悪くなかったけど、また悔しい気持ちになりました 😥

        仕事は3年前とは何ら変わっていなかったし、給料も24歳で手取り20万弱だった。

         

         

         

         

        【人は地位で態度が変わる】

         

        「人間は、人の価値を外見や所属(会社や職業)で判断する生き物だ」とその時思いました。

         

         

        今でも感じるのですが、

        ソムリエバッジを付けているスタッフとそうでないスタッフは

        明らかにお客様の見る目は違います。

         

         

        それはなぜか?

         

         

        ソムリエバッジが「ワインがわかる人」と一目でわかる判断出来るモノだからです。

         

        ソムリエという生き方を選んだのであれば、

        ソムリエバッジに恥じない知識を持たなければ、

        お客様に失礼に当たる

         

         

        私は、その知識もないのに、バッジをつけ、

        「僕ソムリエです」と名乗っていたのがとても恥ずかしくなりました。

         

         

        その日を境にソムリエという道を諦め

         

         

        サービスマンとして生きる道を決めました。

        その日以来二度とソムリエバッジは付けないと心に決めたのです。

         

         

         

        私は、ソムリエという職業で活躍していらっしゃる方々を本当に尊敬しています。

         

        それは私には出来ない能力を持ち、その能力を発揮しているからです。

         

         

        つい先日、勤務しているお店にお客様が来店されました。

         

         

        お名前はわかっていましたので、お会いしたらびっくりするだろうな・・・

        と思ってその時を楽しみにしていました。

         

         

        3年前にテレビに出演した時に

         

        「ファンになりました、一緒に写真撮ってください」と。

         

        そしてその後、SNSで友達申請も来ました。

         

         

        しかし・・・・

         

         

        お出迎えをし、お料理をサーブし

        そして料理説明もしているのに全く気づかないどころか目も合わせない。

        料理の写真ばかり取ります。ワインがくればソムリエとお話。

         

         

         

        久しぶりに悔しい気持ちになりました 😡

         

         

        絶対にサービスマンの地位を向上させる

        サービスマンの給料を上げてみせる!

         

         

         

         

        今までの悔しさがあるから、今の自分があると思います。

         

         

        サービスする人を1人の人間として向き合あうと、レストランは何十倍も楽しくなります。

         

        そして、レストランにはサービスマンもお客様の傍に常に寄り添っています 😆 

         

         

        fantagista21

         

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