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2021年8月29日
サービスの先に、おもてなしがある賛否両論あった東京オリンピックが閉幕しました。
期間中はレストランで接客をしていると、お客さまとの話題は自然とオリンピックへ。
「オリンピック開催、どう思う?」
否定的な方々も少なからず多いため、肯定的な発言はできず、メッシばりのドリブルでサクッと回避していました。
コロナ関連の話題もそう。
「ワクチン打った?」「どっち?F?M?」
「僕は絶対に接種しない!」
「早くうちなよ!!」
など賛否両論。
レストランサービスはお客様からの信頼で成り立つ職業なので、
コトバひとつよく考えてから発言するようにしています。
かつて20代のころ、何も考えずにコトバを発していた時がありました。
自分中心のサービスですね。
そして・・・
多くの方から信頼を失い、痛い目にもたくさん遭いました。
そのころから徐々に
「相手の心に寄り添うサービスを」!
そう考えが変わりまました。
サービスにせよ、おもてなしにせよ
共通していることで何より大切なことは
「お客さまと自分の間にある壁を取り払うこと」
お客さまの目線にたち、お客さまの気持ちになる。
簡単なコトではありません。
ではどうやってそれをするのか?
私の場合は相手の
「目元」「手元」「足元」
をさりげなく観察するようにしています。
マスクをしていますが、以前は「口元」も。
「元」がつくところはお客の飾らない感情が表れているもの。
その感情を察して、こちらの感情をさらけ出す。
すると・・・・
心がほどける瞬間がわかるようになるんですよ。
その方が育ってきた環境によっても、
求められるサービスやおもてなしは異なります。
例えばオーダーテイクのシチュエーションでは
楽にしてあげるサービス=「くつろぎ」を求められる方には
「おまかせコース」を提案。
自身で楽しみたい=「自由」を求められる方には
「アラカルト」を提案。
不特定多数のお客さまと対峙することが多いからこそ、
お客様と同じ目線に立つには、
より想像力を働かせる必要があるのだと思います。
お客様の立場に立つということは、それは自分の目線です。
独りよがりのサービスになってしまいます。
お客さまの気持ちに立つということが、
相手の目線でできる寄り添うおもてなしになるのです。
サービスにもおもてなしにもマニュアルはありません。
理屈よりも感覚が大事。
そこが難しい上に、その感覚を「戦略」に昇華して、
都度「チーム」で共有していかなければなりません。
私はコーチでありプレイヤーです。
今日はどんなお客さまと出会うのだろう?
いつものあのお客さまに、どんな話題で盛り上げよう?
いまだに毎回ダイニングに立つと、とても緊張します。
毎回
「その瞬間を最高のものにする」サービスと、
「一生涯、記憶に残る体験を提供する」おもてなし。
永続的に、お客様の気持ちになって接客することがどれほど難しいか
今日も考えさせられました。
Fantagista21
Category:日々のこと